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勤務医の過酷な労働環境と医師不足

こんにちは。看護プロの笠木です。

今日取り上げたいのは、日本外科学会が、
全国の外科医に対して行ったアンケート調査についてのニュースです。

 <<ニュース>>

この調査によれば、外科医の8割強が、忙し過ぎることこそ、
近年急増している、医療事故やインシデントの原因であると考えているとのこと。

勤務医の過酷な労働環境については、最近、ちょくちょく耳にする機会が多いですが、
当直明け、そのままオペに参加したことがあるという回答が全体の7割強。

驚いたことに、3割強はそれが恒常的であると回答しているといいます。

このところ、巷では労働環境が厳しい会社を「ブラック企業」などという言葉で
揶揄している人がいるようですが、勤務先に拘束される時間という点で言えば、
「日勤→当直→日勤」という勤務が常態化している、
勤務医の世界に比べれば、
世の「ブラック企業」の大半が大したことのない環境なのかもしれません。

それにしても、勤務医がこれだけ忙しいというのは、
当然、人が足りないということなわけですが、その要因は一体なんなのでしょうか?

色々言われていますが、代表的な意見はふたつあって、
医療費の自己負担額が少ないことをいいことに、
無駄に医療を浪費する心ない患者が多過ぎるなど、
そもそも医師の仕事が多過ぎるせいだ、という意見がまずひとつ。

そしてもう一方で、こうした現場で疲弊した医師が次々と開業を目指すことで、
急性期医療の現場の人員不足に、拍車がかかっている、
つまり人員不足という意見がもうひとつです。

ただ、私が個人的に思うには、徐々に変わりつつあるとはいえ、
病院の人事に大学病院の医局が絡むことで、看護師に比べて、
行政が医師の就業場所をコントロールしにくいということも
大きな問題としてあるように思います。

単純にいえば、人が必要であるところに人を集められていないという、
マクロ的なコントロールが、あまりきいていない状況なのではないかと思うのです。

が、こう書いてきて思いましたが、
もう少しマクロ的なコントロールを実行しているはずの看護師の配置も
現状、期待ほどはうまくいっていないかもしれませんね。

なかなかこの手のコトをコントロールするというのは難しいですね。

海外には、より社会主義的な制度を使って医師の数や
就業場所をコントロールしている国もあるようですが、
一体日本はこの問題をどう解決するのでしょうか。

2013年04月21日カテゴリー:医療全般