ローザス医療ニュースブログ


誇大表現の規制

今回は、皆さんも目にしたことのあるであろう、広告について書かせていただきます。
そもそも医療は、『生命・身体に関わるサービスである。』という考えから、医療広告には、誰が見ても同じように受け取ることのできる内容しか掲載をしてはいけない!というような内容の法律が医療法で定められています。

ここでの医療広告は、街中で見かける看板や雑誌に掲載されているものを指しており、インターネット上のHPは対象外とされています。
というのも、インターネット上のHPは、見たい人が自発的に検索などをして閲覧するものと位置づけられているからです。

ただ、ここ最近では、病院やクリニックを探す際や選ぶ際に、インターネットを使う人が増えており、美容クリニックなどでは、誇大表現に対するクレームも増えているようです。
それを改善するために、厚生労働省が医療法に基づく、ガイドラインを作成しており、HPの掲載内容の改善に働きかけをしています。

ガイドラインで示されている内容は、主に下記の3点です。
①虚偽の内容・客観的に証明できない内容 (「絶対安全」「必ず成功」など)
②比較広告(Before&Afterの写真、数値など)
③誇大広告・都合のよい情報の過度な強調

 

皆さんは、美容医療を行っているクリニックのHPをご覧になったことはありますか?

HPには、施術内容や金額、Before&Afterの写真など、さまざまなものが載っていますが、特にBefore&Afterの写真はとてもインパクトが強く、それを見て来院する方の中には、『自分も全く同じようになれる!』と思う方が少なくないようです。
それもそのはず!
『100%結果が出ます!』などといった表現を使っているところもまだまだ多く、誤解を招いています。
もちろん、トラブルを防ぐため、『結果には個人差があります!』などと注意書きをしているところもありますが、それ以上にインパクトの強い文言や写真が掲載されているのも事実です。

 

また、美容以外にも、ガンの免疫療法を行っているクリニックのHPを見てみると、治療前と治療開始後の症例がたくさん掲載されていました。
もちろん、載っている症例は嘘ではなく、事実かと思いますが、素人には、その治療を受けることで、自分がどう変化するのか。同じようになるのか。というのは判断しきれません。
どんな施術を受けるか、治療を受けるかを決めるのは自分自身なので、HPだけではなく、医師に相談し、後悔のない選択をしなくてはいけません。

ガイドラインにのっとったHPを作成し、誤解を生むことが少なくなるといいと思う一方、HPに個性がなくなり、選択しづらくなるのも事実なので、より多くの情報収集が必要になります!

今後も、病院やクリニックのHPに変化が出てくる可能性があるので、少し意識して見てみましょう。

 

 

2016年09月02日カテゴリー:看護プロ, 雑談