ローザス医療ニュースブログ


「どこでもMY病院」構想

こんばんは。看護プロの笠木です。

突然ですが、皆さん、「どこでもMY病院」構想ってご存知ですか?

このネーミングだけ聞くと、どんな構想なのかが全く伝わってきませんが、
単純に言うと、医療サービスを受ける個々人の健康情報をデータベース化。

それにより、各人が、主体的に、より良い医療サービスを
選択することが可能になり、適切なサービスを受けることができる。

そんな世界を実現するためのシステムを作ろうという構想なのです。

簡単な例を挙げると、ある患者さんへの投薬や医療機関の受診履歴、
または検査の結果を共通のプラットフォームで管理。

このプラットフォームを活用することで、この患者さんが
どこの病院に行っても、スムースに最適な医療サービスを選択し、
受けることができるというわけです。

病院側は、過去のデータがあることで、当然、
治療がしやすくなるわけですし、患者さんも、何度も症状を説明したり、
検査を受け直したりしなくてもすみます。

言いかえれば、これまで医療機関内でのみ利用・管理されていた情報を、
サービスの利用者である各個人が活用できるような仕組みを
導入するということですね。

ある意味、患者さんにとっては、当たり前とも言えるようなシステムですが、
患者さんが、どこの病院に行っても、かかりつけのお医者さん同様に
対応してもらえるということで、「どこでもMY病院」という
ネーミングになったようです。

詳細の資料はこちら

この構想、うまく実現できれば、医療サービスを受ける側にも
提供する側にも、大きなメリットがありそうですが、
実現にあたっては、ちょっと考えただけでも色々と障害がありそうですね。

ひとつの会社内で使う、業務システムを変えるだけでも現場の物理的、
心理的抵抗や金銭的な導入コストなど、大変なことが多いと聞きます。

この話は国全体で取り組む話ですから尚更大変でしょう。

扱う情報もかなりセンシティブな情報ですから、
個人情報保護という観点からも、声高に反対を主張する人達も
少なくなさそうです。

個人情報保護の話は、個人的にはややヒステリックな様相も呈している
ように思いますが、害を及ぼす可能性があるからと言って、
有益な取り組みを頭から否定してしまうのはもったいないと思います。

この構想を実現するために働く人達にかかる負荷は
大小様々、想像を絶するもののように思いますが、
何とか粘り強く頑張ってもらいたいものです。

影響範囲が大きい分、アラやできない理由を探せば際限ないとも思いますが、
是非、どうすればこの世界観を実現できるかという観点から、
議論し、実現の努力をしてもらいたいと思います。

それだけの価値のある取り組みだと思います。

2012年02月15日カテゴリー:医療全般