妊婦の看護師に転職はできるの?

妊婦さんで転職活動します！って看護師さんは、正直なところとても少ないです。
でも、時々そんな希望の看護師さんを担当させていただくことがあるんです。『安定期に入ったので、働ける病院を探したいです。』と…。
実際のところ、妊婦の看護師さんが転職活動をすることで大きなメリットはあまりないようには感じております。なぜでしょうか?

育休は使えない?

前にもお話したように、育休は育休取得前に12ヶ月以上の勤務実績がある方のために、加入した健康保険組合で用意している制度です。
仮に安定期に入って、めでたく就業先が決まっても、入職して3～4ヶ月もすると産休に入ってしまいます。つまり、育休手当などの対象外になってしまうんですね。
そうなると、産休が終わった後は欠勤しているだけの状態になってしまうんです。

就職先が選べない

安定期といっても、重労働が多い看護師さんは、妊娠期間の体調不良はつきものと考えてください。安定したシフトが作れない可能性がある方を、喜んで受け入れてくれる病院は少ないです。
そうなると、この病院で働きたい！と思っても、受け入れ不可となってしまうこともあります。就職先が選べないということは、妥協して選ばなければいけないということです。
そんな就業先で、長く勤める自信はありますか？結果的に長くお勤めいただければ良いのですが、『やっぱり他に働きやすいところあるかな』って思うきっかけを最初から作って入職するようなものです。
できれば長く就業できる転職先を探していただきたいものです。

実際にあったお話

もちろん、妊婦さんでも看護プロからご入職いただいた例もあります。
看護部長さんにとても理解があり、実際にとても働きやすいと就業いただいた、とても素晴らしいケースです♪
就業にはつながらなかったですが、こうだったら受け入れ検討できますという例を挙げると、非常勤がダントツ多いです。
突然の欠勤などの柔軟に対応ができるように…という配慮もありますよね。

トータル的に考えると…妊婦さんが働くために、派遣のお仕事もひとつの選択肢かなと思います。
体調や、健診などの日程に合わせて働くには、単発の派遣のお仕事は都合よいというお話は耳にします。
もちろん、妊婦さんであることを前提に登録をするので、妊婦さんでも働きやすい、働ける環境でのお仕事を紹介してもらえるように相談しましょうね♪

周囲のサポートも希薄?

働いていた方が妊娠すれば、みんな喜んでくれるのが人情というもの。
しかし、妊婦さんと勤務をすると、力仕事を率先して行ったり、夜勤の時には気を遣ったり、一緒に働く看護師さんは大変な思いをします。それは、皆さん実体験から思い当たるフシはあることだと思います。新しく入ってきた方が妊婦さんだったら『正直、一緒に勤務するの嫌だな…』とだけ思われてしまっても、おかしくないことです。
もちろん、大歓迎で受け入れてくれる組織もあるでしょうけれど、体調不良などで休んでしまって、迷惑かけたことから自ら後ろめたい気持ちになってしまうことだってあります。
そんな周囲のスタッフからのサポートを受けられないことだって考えると、あまり転職する時期としてオススメすることはできませんよね。