看護学校を卒業後、系列の民間病院に就職し、循環器病棟で6年間勤務。
その後、結婚を機にクリニックで非常勤として勤務したのち、自宅周辺の個人病院でオペ室兼、外来担当として2年間勤務されてきた方です。
現在お勤めの個人病院は、整形に強みをもつ60床程度の病院で、オペはほとんどが整形のオペとなりますが、件数自体がそれ程多くないため、オペがない時は、外来のお仕事をするような形となっているようです。
緊急のオペは基本的にないため、勤務は日勤のみで当直やオンコールはないということでした。
当初、長谷川さんとしては、病棟勤務に戻りたいので、その病院探しを手伝って欲しいということで、看護プロにご連絡をいただいたのです。
長谷川さんの話を詳しく伺ってみると、実は、現在勤務している個人病院には、当初外来勤務ということで就職したとのことでした。
ところが、実際に入職してみると、オペ室も兼務、というよりはむしろ、オペ室での仕事がメインで、空いた時間に外来をやるといった勤務体系だったようです。
長谷川さんによれば、元々、家庭を優先した働き方をするには、外来が良いということで選んだ職場だったそうですから、その目論見は完全に外れてしまったわけです。
ただ、最初はだいぶ戸惑ったものの、やってみるとオペ室での仕事は意外に面白く、徐々にこの仕事を続けて行くのも良いのではないかと最近は考えていたようです。
しかし、この不況のあおりで、ご主人が勤めていた会社が急遽倒産。
すぐに再就職はできたそうですが、給与が大幅に下がってしまったため、もう少し、長谷川さんも稼がなくてはならない状況になってしまったようです。
もっと給与を稼ぐためには、夜勤のある病棟に復帰するのが一番とお考えになり、看護プロにご相談をいただいたわけです。
以上のような事情から、自宅周辺で、夜勤ありの病棟勤務希望ということでご相談をいただいたのですが、看護プロではその選択肢が本当に長谷川さんにとって良いかどうか、まずはじっくりお話させていただきました。
それは、長谷川さんが、オペ室での勤務に魅力を感じていたため、オペ室勤務のままもう少し給料を上げる方法を検討した方が良いのではないかと思ったというのも当然あるのですが、本当に病棟で夜勤をやるような働き方ができるかどうかということに、少々不安を感じたからです。
病棟で夜勤をやるとなると、2交代で月に4回は夜勤をこなさなくてはならないというのが一般的です。
長谷川さんの場合、元々家庭を優先したいということで、日勤のみの働き方を希望されていたということもあり、お話を聞く限りでは、せいぜい月2回が限界ではないかと思ったのです。
長谷川さんは、オペ看として転職をするのは今回がはじめてということもあり、そもそも、オペ室勤務にどういったタイプの働き方があるのかをあまりご存じないように思いました。
そこで看護プロでは、長谷川さんのこうした状況を踏まえた上で、オペ室勤務の種類についてご説明をさせていただいたのです。
オペ室勤務には、今の長谷川さんのような外来兼務の日勤常勤というタイプや、オペ室専任というタイプがまずあるのですが、各種手当がつかない分、あまり給与面では期待できません。
その一方で、通常の日勤に加え、緊急オペ時の呼び出しがある、オンコールありのタイプや、緊急オペに備えて当直があるタイプの勤務形態であれば、通常の病棟勤務と近い給与が期待できるのです。
ただ、この給与の高いタイプの働き方だと、結局月に7回前後、待機に備え、呼び出しがあれば、すぐに病院に駆けつける必要があったり、そもそも当直が月に4回あったりと、長谷川さんにとっては、病棟で働くことと、あまり負担は変わらなくなってしまいます。
そこで看護プロからご提案させていただいたのは、当直ありのオペ室勤務ではあるものの、当直時はオペ室勤務ではなく、救急外来対応といったタイプの求人です。
オペ室兼、夜間の救急外来対応といったタイプの働き方は、一般的に通常の病棟や当直ありのオペ室勤務に比べ、当直回数が少ないところが多いのです。
当然、病院によって事情は異なるのですが、感覚的には平均月2回といったところでしょうか。
また、救急が入らない日であれば、比較的仮眠もとりやすい環境と言えると思います。
長谷川さんにその話をしたところ、ある程度給与が見込める上に、夜勤も月2回で大丈夫ということであれば、自分にとっては好都合という反応でした。
オペ室の勤務形態は、どのタイプなのかが、なかなか外からは分かりにくいため、自分ひとりで探そうとしてもなかなかうまくいかないのですが、看護プロでは各病院のデータがある分、こうしたオペ室の勤務形態についてはデータが揃っているのです。
ご自宅から近いところで、運良く夜間は救急外来対応となるオペ室求人が二つ見つかったので、それを長谷川さんにご提案させていただき、その片方の病院に無事ご入職される運びとなりました。
ご入職から3ヶ月が経った長谷川さんに連絡をしてみたところ、とても充実された様子でした。
病院に慣れていないため、まだ救急外来対応の当直には入っていないということでしたが、周りを見るに、おおむね月2回の当直ですんでいるようで、家庭も大事にしながら、仕事を続けられそうだと仰っていました。
また、以前の病院ではオペがどうしても整形に偏ってしまいがちでしたが、今回の病院では、それ程難易度が高いオペではないものの、外科や泌尿器科、眼科などのオペもあるということで、自分の看護師としての幅もだいぶ広がると思うとのことでした。
長谷川さんのご活躍、心よりお祈りしております。