一般の大学を卒業後、繊維関連の中堅商社に入社するも、仕事にやりがいを見出すこができず、半年で退職。
当時は、就職氷河期と言われていたこともあり、手に職をつけることが何より大事と考え、6年前に看護師免許を取得。
その後、二つの総合病院で内科病棟4年、透析室2年の勤務をされてきた、少々変わった経歴をお持ちの男性看護師です。
そんな高野さんですが、聞けば、来年の春、今お付き合いされている女性と、結婚をすることになったとのこと。
ご本人としては、結婚してより一層仕事を頑張るためにも、これを機に、看護師としての自分のキャリアをどうしていくべきかを、真剣に考えたいと思い、看護プロにご相談をいただいたとのことでした。
さて、上記のような経緯でご登録いただいた高野さんですが、真剣に色々と考えていきたいとは仰るものの、それ以上具体的なことは、まだ、かなりぼんやりしている状態でした。
そこで、看護プロでは、具体的な求人の話をする前に、まず一度お会いして、じっくりとご相談に乗らせていただけないかと高野さんにお話させていただきました。
お仕事が忙しい中、わざわざ会う時間を取るのは難しいという方も多いため、看護プロでは、ご登録者の状況や希望に合わせ、まず最初の相談は、お電話だけでさせていただくということも少なくありません。
ただ、高野さんの場合、何から考えて良いのか分からないという状況だったため、あえて、まず一度お会いしませんかとご提案をさせていただきました。
高野さんも、できることなら、会って相談できる方が良いということでしたので、高野さんのお仕事が終わった後に、ご自宅の近くまで伺い、少し長い時間をかけ、お話をさせていただきました。
実際話してみると、高野さんは、勤務地の範囲や、休日についてのぼんやりとした希望はあったものの、その他は、特に強いこだわりがあるというわけではありませんでした。
個別に具体的な選択肢を提示すると、「そういう病院はちょっと考えていない」とは仰るものの、どんな点を重視して仕事を探したいか、また、今回の転職を通じて何を実現したいかといったことがかなり漠然としていたのです。
そこで、看護プロでは高野さんの過去のご経歴に沿って、どんな仕事をしていて、その時にどう感じたか、また、なぜその病院を辞め、新しい病院に入職したかなどを丁寧にお伺いさせていただきました。
こうした作業を一緒にすることによって、本当に高野さんが実現したいと思っていること、絶対に譲れないと思っていることを明確にし、実際の求人を見ながら、今回、どんな選択をすることが高野さんにとって本当に良いのかを二人で検討していきました。
上記のような相談を経て高野さんが辿りついた結論は精神科の専門病院で働くという選択肢でした。
まず第一に、過去の経歴や転職理由などを伺っていると、高野さんは男性看護師としての自分の将来というものを見失っているような印象を受けました。
看護師の職場は、やはりまだまだ女性が多い職場ですが、これまで高野さんがいらっしゃった病院にはほとんど男性の看護師がおらず、高野さんは男性で活躍している先輩を見たことがないということだったのです。
そこで、看護プロでは、男性の看護師が多く活躍している領域、病院についてご説明をし、その中で高野さんのご希望に近いところを探っていきました。
男性が活躍している看護師の領域というのは必ずしも精神科だけではないですが、高野さんは元々大学の時に心理学を専攻していたということもあり、精神科の病院には興味があるとのことでした。
特に精神科の看護師は、患者のケア以外にも、少々学術的な素養も求められる分野ですので、高野さんの希望にも会っていました。
入職から半年が経って、連絡を取ってみると、色々分からないことだらけだけど、男性で活躍している方も多く、学会の発表など、とても毎日充実しているとのことでした。
最近は、目前に迫った結婚式の準備の方がむしろ大変とのことですが、新しい職場にも徐々に慣れ、今後自分がどんな看護師になっていくのかということが、ようやく見えてきそうだとのことでした。