宮崎県出身の方で、25歳の時に正看護師の免許を取得、県内の総合病院に入職され、透析室に配属となりました。
その後、どうしても透析の業務に慣れないということで、同じく地元宮崎で内科系のクリニックに転職。
外来担当として約2年間勤務をされました。
ところが、そのクリニックが院長の都合で急遽閉鎖となることが決定。
以前から看護師以外の職業に興味を持っていた池澤さんは、これを機に上京して、一般企業での仕事にチャレンジすることを決意。
ここ5年間は小さな商社で事務スタッフとしてお仕事をされてきました。
看護師としては5年のブランクがあり、病棟経験は全くない方でしたが、今回、「看護師に復帰したいがどうすれば良いか」とご相談をいただいたのです。
最近は看護師不足に悩む病院が多いため、ブランクがあったり、経験が不足しているからといって、池澤さんがどこにも就職できないということはありません。
決して簡単ではないかもしれませんが、複数の病院にチャレンジすれば、池澤さんがどこかの病院から内定をもらうこと自体はそれほど難しくはないのです。
ただ、重要なのは内定をもらうことではなく、入職後、ちゃんとその病院で長く勤務を継続され、充実した生活を送ることです。
ですから、そもそもなぜ池澤さんが看護師に復帰したいと思ったのか、また、今後の生活を考えると、どのような職場環境が良いのかを「看護プロ」では詳しくお伺いすることにしたのです。
池澤さんによれば、看護師への復帰を決めた一番の理由は、経済的な理由とのことでした。
今お勤めの商社の事務職は、看護師に比べればだいぶ給与的に見劣りしてしまいますし、この先、勤続年数が長くなっても、たいして給与があがることはないそうです。
昨年宮崎のお父様が病気になり、実家に毎月いくらかの仕送りをする必要が出てきたということもあり、現在と比較して給与の高い看護師に復帰することを決めたそうです。
さて、なぜ看護師に復帰しようとお考えになったかが分かったところで、具体的な求人についてですが、池澤さんは当初、透析か外来の求人を探して欲しいと仰っていました。
ご本人としては看護師に復帰する決意をした以上、定年まで看護師を続けたいとのことでしたが、多少なりとも経験のある業務の方が馴染みやすいと考えたようです。
実際、池澤さんが希望するエリアで、外来や透析の募集があったのですが、「看護プロ」では求人をご案内したものの、あえて強くはオススメしませんでした。
それは、池澤さんの中で給与面に対するこだわりが一定強い以上、夜勤手当が付かず、それほど給与面が期待できない外来は厳しいのではないかと考えたこと。
また、透析については以前どうしても仕事が肌に合わずに辞めていらっしゃることから、避けた方が良いのではないかと考えたからです。
逆に、「看護プロ」では、本当に定年まで看護師を続けることを考えているのであれば、このタイミングで、病棟の経験を積んでおくことは絶対にプラスになるのではないかと思い、池澤さんに提案させていただきました。
これまで病棟の経験は一切ないため、池澤さん自身は、最初、相当不安に感じたようで、すぐには病棟勤務を承諾されませんでした。
しかし、いくつか外来や透析の募集がある病院に面談に行くうちに、やはり長く看護師を続けるためには、ここで一度病棟の経験を積んでおいた方が良いのではないかと、自然とお考えになったようです。
中途採用の看護師に対しても手厚い研修を用意していること、また、猛烈に忙しい急性期の病院ではなく、少し落ち着いた環境であることという2点にこだわって、病棟の求人を探していきたいと方向転換されたのです。
「看護プロ」では、この池澤さんのお考えに沿って、条件を満たしていると思われる病院を数箇所ご紹介させていただきました。
その後、そのうちの2箇所の病院で面談を設定させていただき、とある150床程度の比較的新しいケアミックスの病院にご入職されることになりました。
入職後3ヶ月が経過した池澤さんにお話を伺ったところ、あの時、病棟勤務にチャレンジする決断をして本当に良かったとお話されていました。
中途入職者にもプリセプターがつく病院で、先輩から細かい指示を毎日うけている状況のようですが、病棟勤務にもだいぶ慣れ、あと1ヶ月ぐらいしたら夜勤にも入る予定とのことでした。
ケアミックスの病院なので、一般病床と療養病床があり、池澤さんは今は療養病床に勤務されているそうです。
ただ、介護色が強く、医療行為が少ないことに多少の物足りなさも感じており、仕事に慣れたら、2~3年を目途に異動し、一般病床も30代のうちに経験しておきたいと思うようになったそうです。
病院に入ってみると、同時期に入職した方の中で、同じくブランク明けの看護師が他にもいらっしゃったそうで、一人だけ遠慮することもなかったとのことでした。
池澤さんのご活躍、お祈りしております。