5年前、就職を機に、ご実家のある宮城から上京。
ご相談をいただいた時には都内の100床前後の病院で勤務されていました。
既に2週間後に退職することが確定しており、月末には寮を出る必要があるため、とにかく早く次の職場を見つける必要があると仰っていました。
田山花絵(仮名)さんの第一のご希望は、残業が少ない職場であることでした。
ここで気になったのが、「残業が少ない」というのが、具体的にどれぐらいの量の残業をさすのかということです。
残業の多い、少ないというのはあくまで個人的な感覚との比較の話であって、月20時間を多いと感じるのか少ないと感じるのかは人それぞれです。
田山花絵(仮名)さんは、とにかく早く次の職場を見つける必要があるため、自分の希望を極端に単純化されており、残業が少ないところであればどこでも大丈夫ですというような話し方をされていましたが、そもそも、「残業が少ない」というのはどの程度のものなのかをまずはちゃんとお伺いする必要があると思ったのです。
お話を聞いていくと、田山花絵(仮名)さんの今の職場は残業が月に40時間以上あるようで、一般の病院に勤務されている方からすると随分多いという印象を受けました。
田山花絵(仮名)さんの「残業が少ない」というのは、おおよそ月20時間ぐらいを指していたようでこれは、病院の種類にもよりますが、一般的には対象となる病院はそれなりの数があるように思いました。
これでは、本当に忙しい病院でない限り、最初に面談に行った病院に田山花絵(仮名)さんは入職することになってしまう、そうなるとあまりに性急に判断をし過ぎた結果、次の病院を短期で辞めることにもなりかねないと少し不安に思ったのです。
そこで、看護プロでは、田山花絵(仮名)さんに、ご自身の求めていらっしゃる条件の病院はそれなりに数があること、時間は限られているかもしれないが、少し落ち着いて長く働ける病院を探した方が良いのではないか、そのためにも、どんな環境であれば、長く続けられると思うのか思い当たることがあれば教えてくださいとお話しました。
すると、少し考えた後、田山花絵(仮名)さんが仰ったのは正看護師の資格取得支援制度のお話でした。
どうやら、そもそも今の病院を辞めることになったのは、残業があまりにも多く、身体を壊しかけたということがキッカケではあるようですが、それはあくまでキッカケで、本質的な要因としては、正看護師の資格取得の支援制度があまり整備されていないということも大きかったようです。
常々その制度が整備されていないことが気になっていた中、体調が悪くなり、急に退職することになったため、とにかく残業時間にこだわって仕事を探すという状況になっていたようでした。
そこで看護プロでは、残業時間にはこだわって求人を探すのは当然として、資格の取得支援制度が整備されており、実際に活用の実績があること、また、入職後どれぐらいのタイミングでその対象になるのかなどにもこだわって次の職場を探すべきと提案させていただきました。
なかなか自分ひとりでは収集しにくい情報でもありますが、看護プロでは、田山花絵(仮名)さんに代わって、直接詳細を病院に確認することができるため、一歩踏み込んだ情報収集が可能です。
こうした気になる点を看護プロで整理した上で、最終的には田山花絵(仮名)さんにご判断いただき、埼玉の病院へご入職いただくことになりました。
その病院では、元々地方から准看護師の方を多く受け入れているということもあるのか、正看護師の資格支援制度も充実しており、入職何年でその対象となるかが比較的明確になっている病院でした。
もちろん、残業時間も月に10時間はありませんし、田山花絵(仮名)さんが気にされていた2週間以内に次を探すということも、無事実現できました。
田山花絵(仮名)さんがその支援制度を活用するには、もう少し時間がかかることとは思いますが、落ち着いた就業環境の中、中長期的な目標があれば、より長く仕事が続けられるのではないかと思っています。